第3回 東日本大震災被災地支援活動 活動報告
日 時 | 2011年5月16日(月) |
参加者 | 箱石靖、山内香里、佐々木亨、笠原なお美、嶋倉成利、宇野信子、望野郁代、望野将司、平城修、岩井いづみ、伊藤隆夫、斎藤由起子(計12名、順不同・敬称略) |
活動場所 | 宮城県岩沼市 岩沼ビッグアリーナ(避難所) |
活動内容 | -おやつとしてフルーツポンチを提供 -夕食のおかずとして、サバの味噌煮、野菜のナムル、お漬物を提供、デザートとしてフルーツポンチを提供 |
費 用 | 食材、調味料、紙皿等100人分で合計38,749円を皆様からお預かりした義援金の中から支払いに充てさせて頂きました。(なお、交通費、ガソリン代、宿泊、食事代等は全て参加者各自の個人負担です) |
活動レポート
今回で3回目となるIRTジャパンの被災地支援活動は、2011年5月16日にボランティア参加を申し出た上記12名によって行われました。すっかり顔なじみとなってIRTジャパンの訪問を心待ちにしてくれている、岩沼市のビッグアリーナの避難所を今回も訪れました。
岩沼市
仙台市の南に位置する岩沼市は、今回の大震災による津波で総面積の48%が浸水の被害を受けました。全長9.9Kmにおよぶ海岸線に造られた堤防が津波で破壊され、180人が死亡したほか、田畑1240ヘクタールが塩水につかってしまったのです。
「被災地に来たのだから今回の未曾有の震災の被害を実際にその目で見ておいて欲しい」という箱石代表の意向から、ビッグアリーナの避難所を訪れる前に海岸線まで車を走らせました。テレビで何度も目にした瓦礫で埋め尽くされた町並みや田畑は、瓦礫の量こそ少なくはなっていましたが、未だ取り残された全半壊の家々、放置された多くの車、ひっくり返っている船などがそのままで、圧倒的な被害の甚大さを物語るに十分でしばし車内の面々は言葉を失いました。本当に復興はこれから長く遠い道程なのだと、改めて覚悟を問われたような気がしました。IRTジャパンのこの支援活動もこの先形を変えてもずっとずっと長く続けていかなければと、気持ちを引き締めてビッグアリーナに向かいました。
ニューフェイス
避難所で東北地区の佐々木副代表と岩井さん、前日入りしていた嶋倉理事と宇野さんに合流しました。また、前回お手伝いに来てくれたグランスポールの斉藤由起子さんが今回も駆けつけてくれました。斉藤さんについては佐々木副代表からぜひIRTジャパンの会員と推薦状が挙がって、今回の活動の直前に理事の方々の承認が得られてめでたくIRTジャパンの会員となって頂きました。こうした活動を通じての新しい仲間の誕生、とても嬉しいです。
左が新入会員の斎藤由起子さん
右は3回の活動全てに参加してくれている皆勤賞の宇野信子さん
二人でほうれん草の山と格闘!
フルーツポンチ
到着後まずはおやつのフルーツポンチ作り。避難所を出てご自宅に帰ったり、親戚の所に身を寄せたり、あるいは第1回の仮設住宅の抽選に当たったりで、避難所で生活する人々の数は減ってきているのですが、それでもまだ100人程の方々が避難所暮らしです。新鮮な野菜や果物が手に入らないという情報のもとに、イチゴやりんご、バナナなどのフレッシュフルーツをたっぷり入れたフルーツポンチを準備しました。フルーツポンチは食までのつなぎのおやつとして、また夕食後のデザートにも活用できると考えてメニューに加えたのですが、準備が整うやいなや待ちかねた子供たちが「おかわりしていい!?」「わーい!白玉もう一個いれてぇ~♪」「何杯食べていい?」と大騒ぎ。これではデザートの分がなくなってしまう!とスタッフが青くなる場面も。
子どものみならず居合わせた大人の方々にもフルーツポンチは好評でした(左)
デザートの時にもおかわりが続出(右)
とおる&なるっち
今回で3回目となる支援活動に初回からずっと参加しているのが、前述の宇野さん以外に佐々木副代表と嶋倉理事です。特に佐々木副代表は地元ということもあってこの避難所には足しげく通っていてすっかり顔馴染み。二人は子ども達から「とおる!」「なるっち!」と呼ばれて大の人気者でした。嶋倉理事は準備の合間に子どもたちと大縄に興じ、遊んであげているというよりはむしろ仲間といった感じ…。
なお、佐々木副代表と嶋倉理事は熟女たちからも大人気で、佐々木副代表は「キムタク」、嶋倉理事は「マー君」と呼ばれていました。(似てるかどうかは皆さんの判断に委ねます)佐々木副代表は「サインして!」とサインをねだられる場面も。
夕食準備
いよいよ夕食の準備です。スタッフで手分けをしてどんどん進んでいきます。
そして、午後六時準備が整いました! 周りを待ちきれない子供達がウロウロ。外は風が強くなって寒くなってきたので、ロビーにテーブルを並べて配膳しました。
いただきま~す!
子どもたちはロビーに集まって一緒に夕食を。自衛隊が炊き出ししてくれた白米とお味噌汁に、私達のサバの味噌煮とお漬物、野菜のナムルが並びました。
皆さんお盆を持ってロビーまで取りに来てくれて、それぞれの場所に帰ってご家族やお仲間とお食事です。一通り皆さんに配り終えて残ったお惣菜を持って館内を回り、遠慮なくおかわりしてくれるように勧めます。レトルトパックのサバの味噌煮が好評で、「まだお父さんが帰ってないけど、これなら後で温められるしもらっていい?」と喜んで持って行ってくださいました。
女性は幾つになっても…
斎藤さんと前回活動に参加して下さった方のつながりで、化粧品のサンプルを大量に提供して下さる方がいらしたので、テーブルの端に並べて皆さんに差し上げました。やはり幾つになっても美しくありたい女心で、皆さんとても喜んで下さいました。
最後に
当日避難所に関東から若い美容師さん達十数名がやってきました。勿論髪をカットするボランティアのサービスです。
また、石川県からはお寿司屋さんを経営する方が避難所の人々にお寿司を握ってあげるために立ち寄って下さっていました。(私達スタッフにも少しお寿司を差し入れて下さいました。ごちそうさまでした!)
全国各地から様々な形の善意が集まり、ちょっと温かい心持になりました。
最後は「きっとまた来るからね!」「今度はいつ来てくれるの?」というやり取りがあちこちで交わされました。
縁があってこうして知り合い触れ合った方々、この人達の最後の1人まできちんと行き先が決まって新しい生活への一歩を踏み出すまで、ずっとささやかな支援を続けながら応援していきたいと、改めて思った一日でした。
(文:山内香里)