被災地支援イベント報告
南三陸町からホタテキャンドル製作者・三浦弘子さんをお招きして
2012年7月22日IRTジャパンでは、財団法人東京YMCAの全面協力のもとに東京都江東区のグランチャ東雲(江東区の児童高齢者およびのための複合施設で、公益財団法人東京YMCAが指定管理者として運営を全面的に委託されています)にて、「南三陸町からホタテキャンドル製作者・三浦弘子さんをお招きして」と銘打った被災地支援イベントを開催いたしました。かねてよりIRTジャパンでは、規模の違いはあっても同じような理念を持ち、ラケットボールに関しても多大なご協力を頂いている東京YMCAと、何か一緒に被災地の支援活動をできないだろうかと考えており、IRTジャパンの理事を務める東京YMCAの花井雅男氏を通じてグランチャ東雲に打診して頂いたところ、沖利柯館長より快諾のご返事を頂いて今回のイベント開催の運びとなりました。
内容は3部構成で、第1部が、沖館長のご提案により、グランチャ東雲の特徴を生かして、子供やシニアの方々がホタテキャンドル作りにチャレンジする「キャンドル教室」、第2部がミニ講演会「ふれ合いサロン」となりました。しかもふれ合いサロンでは、三浦さんのお話に加えてIRTジャパンの理事である昭和大学医学部整形外科学教室准教授の平泉裕先生が、東日本大震災時の昭和大学の被災地支援活動について、貴重なお話で花を添えてくださることになりました。そして、最後の第3部は「IRTジャパン関係者との懇親会」として、IRTジャパンの関係者、ラケットボール関係者で是非三浦さんに会ってお話したいという方々に来て頂いてささやかな集まりを持つことにしました。
ホタテキャンドル教室
グランチャ東雲のスタッフの皆様が一生懸命声かけをして誘って下さったおかげで、親子ペアやシニアの方々約60名という多数の皆様が参加して下さいました。レクリェーションホールと言う一番大きなお部屋を使わせて頂いたのですが、満員の状態で大盛況でした。
まずは三浦さんが震災のことからホタテキャンドルが誕生するまでのストーリーをお話して下さいました。今の南三陸町の様子や三浦さんたちがホタテキャンドルを作っている様子をスライドで紹介しながら、まだまだ遠い復興への道のりを三浦さんが切々と訴えると、小さなお子さんがたくさんいたのですが、誰もおしゃべりをしたり騒いだりすることなどなく、皆三浦さんのお話を真剣に聞いてくれました。スライドには報道カメラマンの冨田きよむ氏が撮った写真も数点使わせて頂き、プロが写した震災後の南三陸町の様子は人々の胸に強く訴えかけているようでした。
お話が終わるとお待ちかねのキャンドル作りです。三浦さんの説明を聞いてまずはどんなキャンドルを作りたいか、キャンドルのパーツ選びから始めます。子供達は宝探しのように目をキラキラさせながら自分のキャンドルのパーツを悩みながら選んでいました。また、今回のキャンドル教室には三浦さんのアシスタントとして孫娘で中学一年生の澄花さんも来てくれて、お姉さんとして小さな子供達をかいがいしくお世話してくれました。
シニアの方々も童心にかえってキャンドル作りに夢中でした。また、グランチャ東雲のスタッフの方々も、進行のお手伝いや皆さんのお世話の合間を縫って真剣にキャンドル作りにチャレンジしていました。
最後は出会いの思い出と復興への祈りを込めて一人一人が鶴を折り、三浦さんが準備して下さった袋に自分のキャンドルを鶴と一緒にパッキングして教室を終了しました。
どの子も、どの人も、思いを込めた自分だけのホタテキャンドルを手にして大満足で会場を後にされました。皆さんの飛び切りの笑顔に会えて本当に嬉しかったです。ふれ合いサロン
ふれ合いサロンはグランチャ東雲が定期的に開催している講演会等で、定員は20名と小規模ながら毎回皆さんが楽しみになさっています。今回は震災をテーマに、平泉先生が昭和大学の被災地支援活動について、三浦さんがご自分の体験等をお話して下さることになりました。平泉先生のお話「東日本大震災における医療活動」は、実際に昭和大学が震災直後に医療チームを作って被災地に派遣した時のお話を、スライドで分かりやすく説明して下さいました。普通では聞けない貴重なお話、日を追って刻々と変わっていく避難所の様子等に皆さん真剣に聞き入っていました。
続いての三浦さんのお話では、ご自身の経験から日頃からの準備・備蓄がいかに大切で必要であるかを力説されていました。三浦さんも高台にある倉庫に、水や食糧などを持っていっておこうと思いながら、先延ばしにしているうちに今回の震災となってしまったそうです。震災は防げなくても日頃の心がけや準備によってその後の生活が本当に違ってくることを改めて教えらました。
最後の質疑応答のコーナーで、小さなお子さん連れのお母さんが、「震災後子供達が震災のことがよくわからないまま、地震のことは怖いからもう言わないでといっていましたが、今日のキャンドル教室とふれ合いサロンに参加して、三浦さんから直接お話を聞けて、子供なりに少しは震災のことが理解できたようです。本当に貴重な機会をありがとうございました。こういう機会はもっともっと必要だと思います。」と言って下さったのが、三浦さんにも私達にも本当に嬉しいお言葉でした。IRTジャパン関係者の懇親会
IRTの関係者でも是非三浦さんに会いたいという方が何名かいらっしゃったので、三浦さんのお話を聞きながらホタテキャンドル作りに挑戦する懇親会を開催しました。和気藹々とおしゃべりしながらキャンドルを作っているうちにあっという間に時間が来て物足りないくらいでした。前回のボランテイァ作業でキャンドル作りを体験した人達(島倉さん、宇野さん、古田さん)はさすがに手馴れた様子で、他の人に教えてあげる余裕ぶりでした。
懇親会で三浦さんが今回のイベントへの思いを込めてキャンドルを作ってくれました。こちらこそ、ありがとうございました!!
こうして密度の濃い1日は無事終了し、翌日は三浦さんと澄花ちゃんを半日の東京観光に案内し、夕方の新幹線で南三陸町にお帰りになりました。三浦さんもとても温かい良いイベントで、あっと言う間の楽しい3日間だったと言って下さって、お呼びしたかいがあったと関係者一同胸をなでおろしています。
三浦さん、澄花ちゃん、平泉先生、グランチャ東雲の皆様、IRTの関係者の皆様、そしてイベントにご参加下さったすべての皆様に心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。
最後に私事ですが、三浦さんとお話しているうちに三浦さんと私・山内とが親戚関係にあることがわかりました。うちの主人の従兄弟と三浦さんの亡くなられたご主人の従姉妹とが夫婦であることが判明したのです。三浦さんとは縁というものを感じていましたが、本当に人と人の出会い、結びつきというものは不思議なものだと改めて感じた出来事でした。これからもこの縁をずっとずっと大事にしていきたいと思っています。
(レポート:山内 香里)
イベント名 | 第5回 被災地支援イベント「ホタテキャンドルの製作者・三浦弘子さんをお招きして」 |
日時 | 2012年7月 22日(日) |
内容 | 第1部 ホタテキャンドル親子教室 第2部 ふれ合いサロン(ミニ講演会) 第3部 IRTJAPAN関係者の懇親会(三浦さんを囲んで) |
協力 | このイベントはグランチャ東雲(江東区の高齢者および児童のための施設で、財団法人 YMCAがその管理・運営をまかされています)の全面協力により、共催として開催されまし た。親子教室の参加費とIRTジャパンの懇親会でのキャンドル作りの体験費の合計金額 55,000円は、全額三浦さん達への義援金として直接お渡しいたしました。また、三浦さんへ は講師料として30,000円をお渡ししました。 |
皆さまからの義援金の内¥200,678を、三浦さんとそのお孫さんを東京にお招きしてイベン トを開催する費用として使わせて頂きました。
※経費明細は、下記PDFをご覧ください。