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環境・社会貢献活動

3月21日、東日本大震災被災地支援活動レポート

掲載:2012年4月8日

第4回 IRTジャパン被災地支援活動報告

皆さまからの義援金のうち、103,235円を支援物資の購入に充てさせて頂きました。なお現地までの交通費やガソリン代等は各自の個人負担となっています。

日時 2012年3月21日(水)
参加者 箱石靖、山内香里、佐々木亨、笠原なお美
訪問先 宮城県本吉郡南三陸町ホタテキャンドル製作者支援(歌津漁協女性部
活動内容
  • 作業に必要なゴム合羽、ゴムエプロン、ゴム手袋等の提供(10人分)
  • 作業用フライパン、鍋、カセットコンロの提供(3セット)
  • 次回支援に関する打合せ
  • ホタテオーナー制度に関する打合せ
協力 株式会社サンエイ商事(代表・加藤安夫様)※ゴム合羽など値引き協賛
  品目 数量 単価 合計金額 備考
支援物資 合羽 10 3,815 38,150  
ゴムエプロン 10 2,380 23,800  
腕カバー 10 1,120 11,200  
手袋各種     7,734  
      80,884  
値引き     8,088  
    小計 72,796  
    消費税 3,639  
    合計 76,435  
支援物資 片手なべ 3 900 2,700  
フライパン 3 1,600 4,800  
カセットコンロ 3 3,000 9,000  
    小計 16,500  
差し入れ お団子・おこわ     10,300  
合計       ¥103,235  

活動レポート

2012年3月21日、本年度の最初の被災地支援活動として、IRTジャパンの役員4名が宮城県南三陸町を訪問しました。先日ホームページでお知らせしたように、本年はここ南三陸町でホタテキャンドルを製作・販売している女性達を中心に支援を続けていく予定で、初回となる今回はご挨拶と今後の支援方針の打合せ、そして第1回の支援物資の提供を目的に会長・山内香里、代表・箱石靖、副会長・佐々木亨、理事・笠原なお美の4名でお邪魔しました。

今回お渡しした支援物資は別表の通りで、合計103,235円を皆さまから寄せられた義援金の中から使わせて頂きました。皆さま本当に有り難うございました。

南三陸町

南三陸町は仙台から車で約2時間、皆さまがよく知っている地名で言うと、石巻と気仙沼の間に位置します。2005年に志津川町と歌津町が合併して生まれた新しい町で、志津川湾、伊里前湾に面してリアス式海岸特有の優れた景観を持つ美しい町です。沿岸部一帯は南三陸金華山国定公園の指定を受けています。

その美しい風景が今では無残に損なわれ、震災から1年たった今でも瓦礫が山と積まれ、中には屋上に車が乗ったままの建物もそのまま残されています。
特に私・山内は主人の出身地がここ南三陸町(志津川)のため、以前に何度もこの地を訪れて美しい景色を目の当たりにしているので、その見る影もない様子には人一倍胸が痛みます。

代表の三浦弘子さん

それでも気を取り直して4人で歌津の三浦さん宅に向かいました。三浦さんというのがこのホタテキャンドル製作の中心人物で、これまで電話では何度もお話しさせて頂いていましたが、お目にかかるのは今回が初めてなのでお互い会うのをとても楽しみにしていました。

三浦さん(左)と山内

プレハブ内の様子

キャンドル作りは三浦さんが高台に所有していた倉庫のプレハブで、訳10人の仲間と共に行われています。三浦さんは今回の震災・津波で家も工場も全て流されてしまうという辛い体験をされ、しかも震災直後に被災した自宅でご主人が亡くなられるという二重にも三重にも悲しい思いをされています。

最初電話でお話ししていた時は、あまりにパワフルで前向きな印象のためにそこまで辛い思いをされていたとは思わず、途中で話を聞いた時には本当にかける言葉もなくただただ電話で絶句してしまいました。

三浦さんも震災から2ヶ月程は口をきくことも嫌なくらい本当に落ち込んでいたそうですが、いつまでもこのままではいけないと自分に言い聞かせて少しずつ前を向いて歩き始めたそうです。そして、このホタテキャンドルの話が持ち上がった時、自分のことだけでなく、浜の女性達にとって普通にお茶を飲み、話したり笑ったりする時間と仕事があれば、少しでも心が和むのではないかと考えて始められたそうです。

写真はホタテキャンドルの作業をする三浦さんのお嬢さん

今では、このプレハブの隣に自前で仮設の住宅を建てそこで生活しながらキャンドル作りやご主人の遺志を継いでホタテの養殖業に精を出しています。

キャンドル製作

ホタテキャンドルの製作は、私達が考えるよりずっと手間暇のかかる緻密で大変な作業です。ホタテキャンドルのことがマスコミなどで取り上げられたりして注文が相次ぐと、毎日夜まで残業して製作にあたるそうです。大変ではありますが、仕事があって収入にもなるということで皆さん笑顔で作業を続けていらっしゃいます。

フライパンにお湯を入れ、その中に蝋を入れた鍋を置いて湯煎で蝋を溶かす所から始めるので、一年間使っているカセットコンロやフライパン、お鍋はかなりボロボロになっています。佐々木副会長の事前の訪問調査でこのことを知り、支援物資としてコンロ・フライパン・お鍋をセットで3セットお贈りしました。

湯煎の様子

新しいカセットコンロをお渡し

蝋で形取った魚やカニなどと装飾用のビーズなど、とても細かい作業です

実際にボンドで貼りつける作業

この女性達を支援していくためにはホタテキャンドルの販路の拡大・確保が必要です。右の写真のように結婚式の引き出物としても使える特注のものも出来ますので、販売先や用途などにお心当たりやアイディアのある方はぜひお知らせください。

その他の支援物資

佐々木副会長の事前の調査でもう一つ必要とされていた支援物資が、ゴムの合羽や長エプロン、手袋等の作業着でした。ホタテの貝殻を洗ったりする作業はもちろん、現在ワカメの養殖作業も始まっていてその際にゴム製の作業着は必須のアイテムとのことでした。そこで、とりあえずゴム合羽、長エプロン、手袋を10人分支援物資としてお渡ししました。

 

支援物資を手に皆で記念写真

1人分のセットを手に笑顔を見せてくれた女性

最後に今後の支援活動について皆で話し合いました。女性達だけでなくホタテの養殖やワカメの養殖に携わる男性達も、ゴム製の作業着が不足しているということで、次回は男性用の作業着10人分を支援することをお約束しました。

同時に、三浦さんがご主人の遺志を継いで頑張っているホタテの養殖に関して、ホタテのオーナー制度をIRTジャパンで立ち上げることも決定しました。

三浦さんの所では義理の息子さん(娘さんのご主人)が実際のホタテ養殖作業を行っているそうですが、北海道まで稚貝を買い付けに行ったりと、とても大変な作業で、金銭的にも事前に支払いをしなければならないものもたくさんあるようです。そこで、ホタテのオーナーになって下さる方をIRTジャパンで募集して前払いでホタテ(約20個分)の権利を買って頂き、約1年後にホタテが大きく育ったらオーナーの方々にお送りするというシステムです。

皆でお話しを聞かせて頂きました

詳しいことは準備が整い次第ホームページにてお知らせいたしますので、その際には皆さまの新たなご協力をよろしくお願いいたします。

南三陸町まで長い道程でしたが、本当に貴重なお話しをたくさん、たくさん伺うことができました。三浦さん初め浜の女性達の強さと健気さに触れて、私達の方が元気を頂いたような気がします。

ささやかではあっても、この女性達を今後も出来る限り支援し続けていきたいと、強く願いながら帰途につきました。

(文:山内 香里)